リン、ナトリウム、カリウムで気にしなければいけないミネラルはなんでしょうか?

近年の腎臓の研究では、腎不全にとってリンの低減した食事が最も重要といわれております。

これは普通食(リン1.4%)での生存率が33%と比べ、リン低減食(リン0.44%)では生存率75%と著しく高まることが報告されていることなどから、

近年はリンのコントロールが重視されてきています。(Brown et, Journal of the American Society of Nephrology 1991:1:1169-1179など)

 

そのため、こちらの療法食はリンのコントロールを重視して、リンの含有量は0.44%前後としております。

 

なお、こちらのフードは中期(食欲がありクレアチニンが4.2以下)までということもあり、ナトリウムに関しましては、現在は若干の低減レベルでの調整程度です。

これはナトリウム低減が食欲の低下を起こしてしまう問題も多いためでもありますが、それ以上に、慢性腎臓病の動物は食事中のナトリウム量が高くても、極端に低い食事にも適していない場合があるためです。

 

専門的には、不可避的ナトリウム喪失という尿へナトリウムが流れ出して止められない場合があることが知られており、そのような愛犬には急に低ナトリウム食に変更すると細胞外液量の著しい減少を招く危険があるため、食事中のナトリウム量は徐々に低下させる配慮の設計をこちらの療法食ではしているためです。

 

かかりつけの動物病院の検査でリンのほかに、ナトリウム、カリウム量なども考慮され判断がされますので、かかりつけの動物病院よりナトリウム、カリウムの食事等の指導がある場合にはその治療内容に従ってください。